目次
- 1 まず結論:4,000万円で買ったマンションは「今」いくらで売れる?
- 2 手取り額の出し方:1分計算テンプレ(式+Excel/PDF)
- 3 あなたが本当に知りたいのは「相場」ではなく「手取り」
- 4 売出価格と成約価格は違う:相場サイトの落とし穴
- 5 築年数による下落カーブは“マンションのほうが緩やか”だが、立地と管理で逆転も
- 6 仲介/買取/買取保証の最適解を選ぶ
- 7 相場の「上振れ要因」と「下振れ要因」を可視化
- 8 値付けと売却戦略:30日・60日・90日でやることが変わる
- 9 税金・住宅ローン・費用で“想定外の目減り”を防ぐ
- 10 事例で学ぶ:4,000万円購入→売却のリアル
- 11 一括査定の賢い使い方(“誰に出すか”で結果が変わる)
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 まとめ:手取り最大化の3ステップ
- 14 結論:相場を知るだけでは不十分、“手取り額の最大化”を意識せよ
まず結論:4,000万円で買ったマンションは「今」いくらで売れる?
マンションの売却価格は「購入額」よりも「築年数・立地・広さ・階数・方角・管理状態」などの条件で大きく左右されます。
「4000万で買ったマンションはいくらで売れる?」と検索する方の多くは、
- 住宅ローンを完済できるか不安
- 住み替え資金が残るか知りたい
- 今売るのが得か損か判断したい
といった切実な悩みを抱えています。ここでは、相場の目安だけでなく「成約までの期間」「仲介と買取の差」まで具体的に解説していきます。
3秒で目安がわかるチェックリスト(築年数×駅距離×専有面積×階×方角×管理状態)
売却価格をざっくり把握するには、以下6つの要素を掛け合わせて考えると簡単です。
- 築年数:新築〜5年は値下がりが少なく、築10年以降は緩やかな下落カーブ。築20年を超えると価格差が顕著に。
- 駅距離:駅徒歩5分以内は強力なプラス要因。逆に15分を超えると需要は一気に減少。
- 専有面積:ファミリー需要が厚い70㎡前後はリセールが強い。一方50㎡未満や100㎡超は需要が限定的。
- 階数:タワーマンションでは高層階・角部屋は価格維持力が高い。低層階・1階は値引き要因。
- 方角:南向き・眺望良好はプラス。北向きや隣接建物で日当たりが悪いとマイナス。
- 管理状態:修繕積立金不足や管理組合が機能していない物件は、買い手に敬遠されやすい。
これらを掛け合わせれば、購入額4,000万円のマンションが現在「4,200万円で売れる可能性があるのか」「3,200万円まで落ちてしまうのか」が瞬時に予想できます。
【早見表】築年数別の価格レンジと“成約までの想定期間”
一般的な価格推移の目安をまとめると以下の通りです。
築年数 | 売却価格の目安 | 成約までの平均期間 |
---|---|---|
新築〜5年 | 購入時の95〜105% | 1〜3ヶ月 |
6〜10年 | 購入時の85〜95% | 2〜4ヶ月 |
11〜20年 | 購入時の70〜85% | 3〜6ヶ月 |
21年以上 | 購入時の60〜75% | 半年〜1年 |
※エリアの需給・駅距離・階数により変動あり。
※都心・駅近・大規模修繕済みの物件は例外的に「購入額以上」で売れることもあります。
「4000万円で買ったマンション」でも、築浅・好立地なら4,100〜4,300万円で成約の可能性があり、築20年以上の郊外物件なら2,800〜3,200万円程度まで落ち込むこともあります。
仲介と買取の概算比較(買取は市場の7〜8割が目安/スピード重視か価格重視か)
マンションを売る方法には大きく「仲介」と「買取」の2種類があります。
- 仲介(一般的な売却方法)
- 不動産会社が買い手を探す
- 相場価格(例:3,800〜4,200万円)で売れる可能性
- 売却期間は3〜6ヶ月が目安
- 費用:仲介手数料(売却価格の約3%+6万円+税)
- 買取(不動産会社が直接購入)
- 即現金化(数週間で決済可能)
- 相場の7〜8割が目安(例:4,000万購入物件→2,800〜3,200万円)
- 内覧不要・瑕疵担保責任なし
- スピード・安心は得られるが価格は下がる
👉 つまり「とにかく早く現金化したい」なら買取、「できるだけ高く売りたい」なら仲介が適しています。
✅ まとめると:
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」の答えは一律ではなく、築年数・立地・条件によって2,800万〜4,300万円と幅広いです。
その中で「高くても売れる確率」と「手残り額」をどう両立させるかがポイントになります。
次章以降では「手取り額の計算方法」や「売出価格と成約価格の差の埋め方」も具体的に解説していきます。
手取り額の出し方:1分計算テンプレ(式+Excel/PDF)
マンション売却で一番大切なのは「売却価格」そのものよりも、**最終的に手元にいくら残るか(=手取り額)**です。
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と検索している方の本音は、「ローンを完済できるか?」「次の住み替え資金が残るか?」という不安でしょう。ここでは、誰でも1分で概算できる“手取り額テンプレ”を紹介します。
手取り額の基本式
売却価格から、各種費用や残債を差し引いていくと、最終的な手取り額がわかります。
手取り額 = 売却価格
− 仲介手数料
− 諸費用(登記費用・引越し・測量等)
− 税金(譲渡所得税)
− 住宅ローン残債
この式に自分の数字を当てはめれば、ざっくりとした「残る金額」をすぐに確認できます。
【テンプレ項目一覧】入力すべき費用と税
売却時に見落としやすい費用を整理しました。Excel版シートに入力する際もこの一覧をもとにしてください。
- 仲介手数料
売却価格の「3%+6万円+消費税」が上限(例:3,800万円で売却した場合 → 約132万円)。 - 登記関係費用
抵当権抹消登記や司法書士報酬など、数万円〜10万円前後。 - 引越し費用・片付け費用
10〜30万円が目安。大型家具の処分費用も忘れずに。 - 修繕積立金・管理費の未払い分
決済時に精算するケースが多い。数万円〜十数万円。 - 税金
譲渡所得が出た場合、居住用なら「3,000万円特別控除」が使えるため、多くの人は課税ゼロ。
ただし投資用やセカンドハウス、短期売却の場合は課税対象になる可能性あり。
価格シナリオA/B/Cで“手取り”を比較
実際の売却は「売出価格=そのまま成約」とは限りません。
そこでおすすめなのが「3つのシナリオ」でシミュレーションする方法です。
- シナリオA(強気)
売却価格4,200万円 → 費用約150万円 → ローン残債2,000万円
→ 手取り 約2,050万円 - シナリオB(中立)
売却価格3,800万円 → 費用約130万円 → ローン残債2,000万円
→ 手取り 約1,670万円 - シナリオC(弱気)
売却価格3,200万円 → 費用約110万円 → ローン残債2,000万円
→ 手取り 約1,090万円
このように「成約価格の違い」によって、手元に残るお金は数百万円単位で変わります。
相場の幅を理解し、自分にとって「損をしないライン」を把握しておくことが重要です。
あなたが本当に知りたいのは「相場」ではなく「手取り」
「4000万で買ったマンション いくらで売れる」と検索している方が本当に知りたいのは、単なる「相場価格」ではありません。
“最終的に手元にいくら残るのか”、つまり「手取り額」こそが最大の関心事です。
検索結果に出てくる多くのサイトは「築年数別の相場」や「エリアごとの価格動向」を提示していますが、それだけでは悩みは解決しません。
実際には「ローン残債の返済が可能か?」「次の住み替え資金は足りるのか?」「今売るべきか待つべきか?」といった切実な不安を解消することが重要です。ここでは、読者が抱える典型的な3つの悩みを深掘りし、それに応える形で解説していきます。
典型的な悩み①「ローン残債を完済できる?」(損しないボーダー価格)
最も多いのは「売ってローンを完済できるのか」という不安です。
たとえば、購入時に3,500万円の住宅ローンを組み、現在の残債が2,000万円ある場合、売却価格が2,000万円を下回れば赤字(オーバーローン)となり、自己資金で不足分を補わなければなりません。
- 損しないためのボーダー価格は「ローン残債+諸費用(仲介手数料や登記費用など)」です。
- もしローン残債が2,000万円、諸費用が150万円なら、2,150万円以上で売れれば赤字は回避できます。
競合サイトは「売却価格がローン残債を上回るかどうか」を軽く触れる程度ですが、実際には「損しないライン」を数字で知ることが一番安心につながります。
本記事では、この“ボーダー価格の計算方法”を具体的に提示することで、読者がすぐに行動できるようにしています。
典型的な悩み②「いくら残る?(次の住み替え頭金)」
売却後の手取り額が、そのまま「次の住み替え頭金」になるケースは多いです。
例えば、
- 売却価格3,800万円
- 諸費用130万円
- ローン残債2,000万円
の場合、手元に残るのは 約1,670万円。
これがそのまま新居購入の頭金や引越し費用に回せます。
もし次に購入を検討しているマンションが5,000万円であれば、頭金として1,500万円以上を確保できるのは大きな安心材料です。
逆に「残るお金が1,000万円前後だと、購入計画の見直しが必要」といった判断基準になります。
典型的な悩み③「今売るべき?もう少し待つべき?」(金利・需給・修繕積立の先行き)
「今売った方が良いのか? それとも数年待った方が良いのか?」という悩みも非常に多いです。
特に2024年以降は金利上昇の兆しや新築供給の減少など、市場動向が変わりつつあります。
判断の材料になるのは、次の3点です。
- 金利動向
住宅ローン金利が上がると購入希望者の負担が増え、需要は落ち込みやすくなります。売却を検討しているなら、低金利の今がチャンスとも言えます。 - 需給バランス
都心や駅近の人気エリアでは買い手需要が旺盛ですが、郊外や築古では需要が鈍化する傾向にあります。エリアごとの需給を把握することが重要です。 - 修繕積立金・大規模修繕の予定
近い将来に大規模修繕が予定されている場合、積立金の値上げや一時金の徴収が発生する可能性があります。これが価格にマイナス要因となることもあるため、売却タイミングの判断材料になります。
売出価格と成約価格は違う:相場サイトの落とし穴
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と検索したとき、多くの人がまず目にするのはポータルサイトの売出価格です。
しかし、注意すべきは 売出価格=成約価格ではない という点です。
実際には、売主が希望して出した価格(売出価格)と、買主が合意して支払った価格(成約価格)には大きな差があることが少なくありません。
ここを理解せずに「このくらいで売れるだろう」と考えてしまうと、予想外の値引きや想定外の時間ロスにつながってしまいます。
売出−成約の平均乖離をどう埋めるか(値付け・値下げタイミング設計)
一般的に、売出価格と成約価格には 5〜10%程度の乖離 があると言われています。
例えば4,000万円で売り出した物件でも、最終的な成約は3,700万円前後になることが多いのです。
この差を最小限にするためには「値付け戦略」と「値下げタイミングの設計」が欠かせません。
- 初期値付けの重要性
売り出してから最初の1ヶ月が勝負です。この期間に多くの買い手に見てもらうためには、相場の上限ギリギリではなく、成約事例を踏まえた現実的な価格設定が必要です。 - 値下げのルール化
内覧数や問い合わせが一定期間(例:30日)で極端に減少した場合は、2〜3%の値下げを早めに判断することが有効です。 - 長期化リスクの回避
「高く売りたい」と強気に価格を維持しすぎると、売却期間が6ヶ月〜1年に及び、結局大幅値下げを余儀なくされるケースもあります。
つまり、最初の値付けから“出口戦略”を考えておくことが、売出価格と成約価格のギャップを埋める一番のポイントなのです。
レインズ・国交省取引価格情報・AI査定の使い分け(近隣成約事例の取り込み方)
相場サイトの情報は便利ですが、表示されるのはあくまで「売出価格」が中心です。
実際の成約価格を知るには、以下の情報源を組み合わせることが効果的です。
- レインズ(REINS)
不動産会社しか直接アクセスできませんが、売却依頼をすれば担当会社から最新の成約データを提示してもらえます。特に同じマンション内の過去成約事例は極めて参考になります。 - 国土交通省「不動産取引価格情報」
実際に取引が成立した価格を公開しており、誰でも閲覧可能です。ただしデータが四半期ごとに更新されるため、タイムラグがある点に注意が必要です。 - AI査定サービス
一括査定サイトや不動産テック企業が提供する「AI査定」は、直近の成約事例や周辺相場を基に自動算出します。スピーディに目安をつかむには便利ですが、個別の条件(階数・管理状態・方角など)は反映されにくいので補助的に使うのが賢明です。
スーモ等ポータルで“競合物件”を逆算する手順(写真・間取り・階数・管理状態で差別化)
最後に、読者自身ができる実践的な調査方法を紹介します。
スーモやアットホームなどのポータルサイトで「自分の物件と似た条件のマンション」を検索し、競合状況を把握するのです。
ポイントは単なる価格比較ではなく、競合との差別化要素を見抜くことです。
- 写真:明るく広く見える写真を用意すれば、同じ価格帯でも印象は大きく変わる
- 間取り:人気の2LDK・3LDKは需要が厚いが、特殊間取りは時間がかかりやすい
- 階数・方角:高層階・南向きは同じマンション内でも価格に差がつく要素
- 管理状態:共用部やエントランスが綺麗な物件は買い手の第一印象で有利
例えば「同じマンションで1階の部屋が3,500万円で売り出し中」なら、自分の部屋が8階・南向きであれば、相対的に強気の価格設定も可能です。
築年数による下落カーブは“マンションのほうが緩やか”だが、立地と管理で逆転も
マンションの価格は築年数とともに下落するのが一般的です。
ただし、一戸建てと比べると マンションの価格下落は緩やか であり、さらに立地や管理状態によっては「購入額を上回る」ケースも存在します。
ここでは、築年数ごとの相場傾向と、逆転現象が起こる条件を具体的に解説します。
【データ要点】築年別の売却目安(参考:一般的な下落傾向)
中古マンション市場では、築年数によって次のようなおおまかな下落傾向が見られます。
- 築0〜5年:新築プレミアムが落ち着き、購入額の95〜100%程度で売れるケースが多い
- 築6〜10年:購入額の85〜95%前後に下落。ただし立地が良ければ購入額を維持できることもある
- 築11〜20年:70〜85%が目安。修繕履歴や駅距離で差が大きく出る
- 築21年以上:60〜70%が一般的。需要は限定されるが、再開発エリアや人気学区は例外
一戸建ての場合は築20年でほぼ「建物価値ゼロ」と評価されやすいのに対し、マンションは築30年でも立地が良ければ価値を保ちやすいのが大きな違いです。
つまり、「4000万で買ったマンション」も築年数だけではなく、どのエリアに建つか・どのように管理されているかによって価格の下落幅が大きく変わります。
都心×駅近×大型修繕済で“購入価格超え”も起こる構造
近年、都心や再開発エリアでは「購入時より高く売れる」逆転現象も見られます。
たとえば、
- 駅徒歩3分以内
- ターミナル駅へのアクセス良好
- 人気学区や商業施設の整備が進むエリア
といった条件の物件では、中古需要が新築以上に高まることがあります。
さらに、大規模修繕が完了しているマンションは「安心感」がプラスに働き、購入検討者が値引きせずに購入する傾向があります。
結果として、築10年で4,000万円で買った物件が4,200万円以上で売却できたという事例も珍しくありません。
これは「築年数=価格下落」という単純な構造ではなく、立地と管理の掛け算によって市場価値が逆転する好例です。
管理の良し悪しが価格に効く理由(修繕積立金・長期修繕計画・共用部)
マンション価格を左右するもう一つの重要な要素が「管理状態」です。
買い手にとって「管理が行き届いているか」は、内覧時の第一印象に直結します。
- 修繕積立金の健全性
積立不足だと将来の一時金徴収リスクがあり、買い手は警戒します。 - 長期修繕計画の有無
計画がしっかりしているマンションは資産価値の維持に安心感がある。 - 共用部の清掃・設備更新
エントランス・廊下・エレベーターの状態は買い手の購買意欲を左右する。
同じ築20年のマンションでも、管理組合が機能している物件とそうでない物件では数百万円の差が出ることもあります。
このように、築年数による価格下落は避けられない傾向ではあるものの、立地と管理の良し悪し次第で「購入額以上で売れる」ことも十分可能です。
単純に「築年数が古いから安い」と諦めるのではなく、自分のマンションが持つプラス要因を冷静に分析することが大切です。
仲介/買取/買取保証の最適解を選ぶ
マンション売却の方法には、大きく分けて「仲介」「買取」「買取保証」の3つがあります。
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と検索する方の中には、“できるだけ高く売りたい” という希望と、“できるだけ早く現金化したい” という事情の両方が存在します。
ここでは、それぞれの特徴を整理し、自分にとっての最適解を見極めるポイントを解説します。
価格を最大化したいなら仲介(ただし時間と内覧対応の負担)
最も一般的なのが「仲介」での売却です。
不動産会社に売却を依頼し、広告を出して買主を探す方法で、相場価格に最も近い、もしくはそれ以上で売れる可能性があるのがメリットです。
- メリット
- 相場に近い価格で売却できる
- 複数の購入希望者が現れれば競争で価格が上がる可能性もある
- デメリット
- 成約までに3〜6ヶ月程度かかるのが一般的
- 内覧対応や価格交渉など売主の手間がある
- 市場の動向次第では値下げを余儀なくされる場合も
「できるだけ高く売りたい」人には仲介が最適ですが、「いつまでに売りたい」という期限がある人にとっては不安要素になることもあります。
期日確定・瑕疵リスク回避なら買取(相場の7〜8割が目安)
「時間がない」「とにかく早く現金化したい」という方に向いているのが「買取」です。
これは不動産会社が直接マンションを買い取る方法で、最短1〜2週間で売却代金が入金されるのが最大の特徴です。
- メリット
- 即現金化できる(スピード重視)
- 内覧対応不要、瑕疵担保責任も免除されやすい
- 売却後のトラブルリスクが少ない
- デメリット
- 買取価格は市場相場の7〜8割が目安
- 高値売却はほぼ不可能
たとえば相場が3,800万円のマンションなら、買取額はおよそ2,800万〜3,000万円。
金額面では不利ですが、期日確定・安心を買うという意味では合理的な選択肢です。
ダブルトラック戦略:まず仲介→一定期間で買取保証へ切替える設計
最近増えているのが「買取保証付き仲介」や「リースバック」といったハイブリッド型の方法です。
- 買取保証付き仲介
一定期間(例:3ヶ月)仲介で買主を探し、それでも売れなければあらかじめ提示された価格で不動産会社が買い取る仕組み。
→ 「高く売れる可能性」と「売れ残りリスク回避」の両立が可能。 - リースバック
売却後も同じ物件に賃貸として住み続けられる仕組み。住み替え先が決まるまでのつなぎや、老後資金確保に利用されるケースが多い。
これらをうまく組み合わせることで、「まず仲介で高値売却を狙い、売れなかったら確実に現金化する」という “ダブルトラック戦略” が実現できます。
まとめると
- 高く売りたい → 仲介
- 早く売りたい/リスクを避けたい → 買取
- 両方のバランスをとりたい → 買取保証
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と考えるときは、単に「相場」を知るだけでなく、どの方法で売るかによって最終的な金額も、売却までの安心度も大きく変わります。
自分の状況に合わせて最適解を選べるよう、この3つの方法を比較検討してみましょう。
相場の「上振れ要因」と「下振れ要因」を可視化
同じ「4000万で買ったマンション」でも、実際の売却価格は一律ではありません。
立地・階数・眺望・管理状態などの条件によって、相場より高く売れることもあれば、逆に大幅に値下がりしてしまうこともあります。
つまり価格は「上振れ要因」と「下振れ要因」の綱引きで決まるのです。ここでは、その具体例を整理していきます。
上振れ:駅徒歩・角部屋・眺望・南向き・高天井・大規模修繕履歴・人気学区
売却価格が相場より高くなる要因には、以下のようなものがあります。
- 駅徒歩の近さ:徒歩5分以内は圧倒的なプラス要因。需要が常に高いため値下がりしにくい。
- 角部屋・上層階:開放感や眺望、採光性の良さがプレミアムとして評価される。
- 南向き・眺望の良さ:日当たりや景観は日常生活の快適性に直結し、購入意欲を高める。
- 高天井・ゆとりある間取り:築浅や高級志向の物件に多く、リセールで高評価になりやすい。
- 大規模修繕済み:直近で工事が終わっていると「当面は追加費用が不要」と安心材料になり、買い手が強気で購入しやすい。
- 人気学区:教育熱心な家庭からの需要が集中するため、売却競争力が上がる。
これらが複数重なると「購入額を超える」ケースすらあります。特に駅近×角部屋×修繕済の組み合わせは、中古市場で強い競争力を発揮します。
下振れ:1F/低層の騒音・エレベーター待ち・修繕積立不足・管理不全・嫌悪施設
一方で、相場より安くなってしまう要因も存在します。
- 低層階・1階:プライバシーや防犯の懸念、騒音や湿気の問題から敬遠されやすい。
- エレベーター待ちのストレス:特に大規模マンションで設備不足が顕著な場合、買い手が嫌気を示す。
- 修繕積立金不足:管理組合の財政が不安定だと、将来的な大規模修繕に追加費用が必要となり、価格にマイナス。
- 管理不全:ゴミ出しルールが守られない、共用部が荒れているなど「暮らしやすさ」に直結する問題は即座に値引き要因になる。
- 嫌悪施設の存在:墓地、工場、繁華街の騒音源、線路沿いなど、心理的抵抗や環境面でマイナス評価。
こうした条件が重なると、同じマンション価格帯でも数百万円の差が出ることは珍しくありません。
同一マンション内の成約履歴から“自室の補正値”を出す
実際にどのくらい上振れ・下振れするのかを把握するには、同じマンション内の過去成約事例が最も参考になります。
- 例:同じ棟の「3階北向き」が3,200万円で成約 → 自分の「8階南向き角部屋」なら+300万〜400万円の上振れが期待できる
- 逆に、同じ棟の「1階」が2,800万円 → 条件が近いなら自室も相場より低めに見積もる必要あり
また、成約事例は不動産会社が参照する「レインズ」に集約されているため、査定依頼をすると具体的な補正を加えた数字を出してもらえます。
このように、価格は「相場」だけで決まるのではなく、上振れ・下振れ要因を整理して補正していくことで、実際に売れる価格帯を具体的に描くことが可能になります。
値付けと売却戦略:30日・60日・90日でやることが変わる
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と考えるとき、多くの方が気になるのは「どのくらいの期間で売れるのか」という点です。
実は、売却活動は 30日・60日・90日 のタイミングで戦略を切り替えることで、結果が大きく変わります。
ここでは期間ごとの具体的な戦術を解説します。
30日プラン:初動の露出最大化(写真クオリティ・レイアウト・レインズ投入直後の内覧密度)
売り出し直後の30日は「ゴールデンタイム」と呼ばれます。
この期間に買い手の目に触れ、内覧が集中するかどうかが、その後の売却スピードと価格を大きく左右します。
- 写真のクオリティ
明るさ・広さ・清潔感を伝える写真は必須です。プロのカメラマンによる撮影は費用対効果が高く、内覧予約数に直結します。 - レイアウト(図面の見せ方)
家具の配置例や生活イメージを載せると、買い手が「自分の暮らし」を想像しやすくなる。 - レインズ投入直後の露出
不動産会社はレインズ(流通システム)に登録すると同時に、自社のネットワークやポータルサイトへ掲載します。最初の2週間は問い合わせが最も集中するため、ここでの印象づけが重要です。
30日間は「価格を下げる」ことよりも「露出と魅せ方」を徹底するフェーズです。
60日プラン:価格調整ルール/問い合わせ減速のKPI
売り出しから60日経過しても成約に至らない場合、価格戦略を見直す必要があります。
ここで重要なのが「感覚ではなくデータで判断する」ことです。
- 問い合わせ件数のKPI
一般的に、週に2件以上の問い合わせが続いていれば価格は適正。1件以下に落ち込むようなら価格調整を検討すべきです。 - 価格調整の幅
2〜5%の値下げを段階的に行うのが現実的。例えば3,800万円で出していた場合、3,680万円程度に調整する。 - 買い手心理を読む
長期間売れ残っている物件は「何か問題があるのでは?」と敬遠されやすい。早めの値下げは逆に「売り主の本気度」として好意的に受け止められる場合もあります。
60日目は「まだ粘るか、戦略的に値下げするか」の判断分岐点です。
90日プラン:販売チャネル再設計(囲い込み回避・他社併用・買取保証の発動条件)
90日を過ぎても売れない場合は、販売チャネル自体を見直す必要があります。
- 囲い込み回避
特定の不動産会社が自社で買主を独占しようとする「囲い込み」により、成約機会を失っている可能性があります。専任媒介から一般媒介に切り替え、複数社に依頼するのも一つの手です。 - 他社併用
エリア特化型の中小不動産会社や大手ポータル連携の強い会社など、特性の異なる会社を組み合わせると新しい買い手層にリーチできます。 - 買取保証の発動
仲介で売れなかった場合に備え、あらかじめ決めていた価格で業者に買い取ってもらう「買取保証」を利用する選択肢もあります。これにより、最終的に売れ残るリスクを解消できます。
90日プランは「販売戦略の総仕上げ」。高値売却を追いすぎて時間を無駄にせず、現実的な出口を見据えた判断が重要です。
このように、売却活動は 30日・60日・90日ごとにやるべきことが変わる ため、計画的に進めることで売却価格とスピードを最適化できます。
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と考える際は、相場だけでなく、このタイムライン戦略を意識することが成功の近道になります。
税金・住宅ローン・費用で“想定外の目減り”を防ぐ
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と調べると、多くの方が売却価格だけに目を向けがちです。
しかし実際には、税金・ローン残債・諸費用によって手元に残る金額が大きく変わります。
ここを正しく把握しないと、「思ったより残らなかった」という“想定外の目減り”に直面しかねません。
居住用3,000万円特別控除/所有期間5年ルールの基礎
売却益が出た場合、通常は 譲渡所得税(所得税+住民税) がかかります。
ただし、居住用のマンションを売却する際は「3,000万円特別控除」を利用できるケースが多く、これによって税負担がゼロになる人も少なくありません。
- 3,000万円特別控除の要件
- 自分が住んでいた物件であること
- 過去に同じ特例を使っていないこと
- 親族などへの売却でないこと
さらに、所有期間が5年を超えると「長期譲渡」となり、税率は 20.315%。
5年以下だと「短期譲渡」となり、税率は 39.63% に跳ね上がるため、売却時期の見極めが重要です。
👉 もし利益が出そうなら、「所有期間5年ルール」を意識してタイミングを調整することで税額を大きく減らせる可能性があります。
住宅ローン残債と繰上返済、団信・抵当権抹消の実務
売却時に残っている住宅ローンは、売却代金から完済するのが原則です。
具体的には決済日に買主から支払われた代金で、金融機関へ残債を一括返済し、同時に抵当権を抹消します。
- 繰上返済の検討
残債が売却価格を上回る(オーバーローン)の場合は、自己資金で補填するか、住み替えローンを利用する必要があります。 - 団体信用生命保険(団信)の影響
売却とは直接関係ありませんが、ローン残債がある状態で債務者が亡くなると、団信でローンが完済されるケースがあります。相続や売却の際に家族が知らないと混乱するため、事前に整理しておきましょう。 - 抵当権抹消登記
司法書士に依頼するのが一般的で、費用は2万〜3万円程度。売却の裏側で必ず発生する実務です。
これらの流れを把握していないと、「決済日直前に慌てる」というケースが多いので注意が必要です。
仲介手数料の上限とオプション費用(ホームステージング/広告強化)
売却に伴う費用の中で最も大きいのが 仲介手数料 です。
上限は法律で定められており、次の計算式で求められます。
- 売却価格の3%+6万円+消費税
例:3,800万円で売却 → 約132万円(+消費税)が上限。
さらに見落としがちなのが、オプション的な販売費用です。
- ホームステージング費用:家具や小物を配置して部屋を魅力的に見せる。費用は数万円〜数十万円。
- 広告強化オプション:大手ポータルサイトで目立つ掲載枠を使う場合、追加費用が発生することもある。
これらは必須ではありませんが、「早く・高く売りたい」と考えるなら検討に値します。
事例で学ぶ:4,000万円購入→売却のリアル
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」という疑問に対して、一番参考になるのは実際の売却事例です。
ここでは条件の異なる3つのケースを取り上げ、「なぜその価格で売れたのか」「どんな工夫をしたのか」を解説します。
事例① 都心・築8年・上階角部屋:購入超えで売れた理由(希少性×修繕履歴)
- 購入時価格:4,000万円
- 売却時築年数:8年
- 売却価格:4,250万円
都心の駅徒歩5分以内、かつ上層階の角部屋という「希少性」の高い物件。
さらに、大規模修繕工事が完了しており、共用部が非常にきれいな状態だったことも買い手の安心材料となりました。
売主はホームステージングを利用し、室内写真の印象を最大化。結果的に複数の購入希望者が競合し、購入額を上回る成約につながりました。
👉 学び:立地・間取り・管理状態が揃えば、中古でも購入時を超える価格が実現可能。
事例② 郊外・築15年・中層:売出−成約のギャップを埋めた打ち手
- 購入時価格:4,000万円
- 売却時築年数:15年
- 売却価格:3,200万円
郊外の駅徒歩15分、3階中層という条件で、当初は3,500万円で売出開始。
しかし問い合わせが少なく、60日目で3,280万円に値下げ。その後、内覧時に「設備の古さ」を指摘されるケースが多かったため、売主は キッチンと浴室のクリーニング+壁紙の一部張り替え を実施しました。
結果として印象が改善し、3,200万円で成約。最初の売出価格からは下がったものの、売却活動が長期化せずに済みました。
👉 学び:郊外・築古物件では、適切な値下げと小規模リフォームが成約の決め手になる。
事例③ 駅遠・築25年:仲介→買取保証への切替で期日内成約
- 購入時価格:4,000万円
- 売却時築年数:25年
- 売却価格:2,600万円(買取保証)
駅徒歩20分以上、築25年でエレベーターなしという条件。
当初は仲介で3,000万円の売出価格を設定しましたが、90日経過しても買い手がつかず。
そこで「買取保証」を発動し、最終的に 2,600万円で不動産会社に直接売却しました。
価格は大きく下がりましたが、売主には「半年以内に現金化したい」という事情があったため、期日内に確実に資金を得られた点が評価されました。
👉 学び:条件が厳しい物件でも、買取保証を利用すれば「時間を優先した安心な出口」が確保できる。
まとめ:事例から見える成功と妥協のライン
- 都心・築浅・希少性あり → 購入額超えの可能性
- 郊外・築15年前後 → 値下げ+小リフォームで成約へ
- 駅遠・築25年以上 → 仲介で難航する場合は買取保証が安全策
このように「4000万で買ったマンション」の売却結果はケースバイケースですが、自分の物件をどの事例に近いかに当てはめて考えると、現実的な価格と戦略が見えてきます。
一括査定の賢い使い方(“誰に出すか”で結果が変わる)
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と調べて一括査定に行き着く方は多いです。
ただし、査定そのものよりも重要なのは、“どの不動産会社に査定を依頼するか” という点です。
一括査定サイトは便利ですが、やみくもに申し込むのではなく「会社ごとの強み」を理解して組み合わせることで、結果は大きく変わります。
大手×地場×売却特化の並走で相見積もり(得意エリアと得意棟を見極める)
査定依頼は 大手・地場・売却特化型 の3タイプを組み合わせるのが理想です。
- 大手不動産会社
広告力・ブランド力が強く、都心部や人気エリアでは高値売却の実績が豊富。買い手の母集団が多いのが魅力。 - 地場の中小不動産会社
地域密着で「そのマンションの棟ごとの成約事例」まで把握していることも。大手では拾いきれないローカル情報に強い。 - 売却特化型の会社
早期売却や買取保証に強みがあり、売却戦略の幅を広げられる。
この3つを並走させることで、「相場の上限〜下限」を現実的に把握できます。
査定書の読み方:成約事例の母集団・乖離率・想定日数に注目
査定結果を見るときは、単に「高い会社を選ぶ」のではなく、査定書の中身に注目することが大切です。
- 成約事例の母集団
どれだけ近隣・同条件のデータを基に算出しているか。母集団が少ない査定は信頼性に欠ける。 - 売出価格と成約価格の乖離率
その会社が想定する値付けと成約実績の差。乖離が小さい会社ほど「実現性のある査定」と言える。 - 想定日数
「平均○ヶ月で売れる」と明記しているか。期間を曖昧にしている会社は実務力が不明確。
このように査定書を数字ベースで読み解くことで、「本当に信頼できる査定かどうか」を判断できます。
“囲い込み”チェックリスト(内覧導線・レポーティング頻度・広告露出の実績)
査定額が良くても、実際の売却活動で「囲い込み」が行われると成約機会を逃してしまいます。
囲い込みとは、不動産会社が自社で買主を独占しようとする行為のこと。これを防ぐには、査定段階で以下をチェックしておきましょう。
- 内覧導線の提案力:実際にどう内覧を組むのか、戦略が具体的かどうか
- レポーティング頻度:週単位で問い合わせ数・内覧数を報告してくれるか
- 広告露出の実績:スーモやアットホームで「どのように見せるか」事例を提示できるか
こうした情報を先に確認することで、「数字は高いけれど売る気がない会社」を見抜けます。
このように、一括査定は単なる金額比較ではなく、「誰に頼むか」「どう見極めるか」 が成否を分けます。
よくある質問(FAQ)
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と調べている方がよく抱く疑問をまとめました。
検索上位記事の多くは一般的な情報にとどまっていますが、本記事ではさらに実務的な観点を加え、読者が“ここでしか得られない納得感”を得られるように整理しています。
「今いくらで売れるか」を無料で“正確に”近づけるには?(近隣成約×同一棟補正×劣化度補正)
無料査定やポータルサイトの相場はあくまで目安です。より“正確に近い数字”を知りたいなら、次の3ステップで補正しましょう。
- 近隣成約事例を参照する
同じエリアで直近半年〜1年以内に成約した物件の価格が一番の参考値になります。国交省の「不動産取引価格情報」やレインズを利用すると信頼性が高まります。 - 同一マンション内の事例で補正する
同じマンションの別の部屋が最近売れていれば、その成約価格を基準に「階数」「向き」「専有面積」で調整するとかなり精度が上がります。 - 劣化度補正を行う
室内の劣化具合(リフォーム済かどうか、設備の古さなど)で50万〜200万円の差が生じることもあります。
👉 これらを組み合わせることで、無料査定の“机上の数字”を、実際の「成約に近い価格」へとぐっと近づけることができます。
買取の税務・引渡しスピード・保証内容は?(仲介との違い)
「仲介」と「買取」では、売却後の流れや税務上の扱いに違いがあります。
- 税務面
仲介であっても買取であっても、譲渡所得税の計算方法は同じ。ただし、特別控除(3,000万円控除など)を適用できるのは居住用売却に限られるため、投資用物件の買取では課税されることがあります。 - 引渡しスピード
仲介は3〜6ヶ月かかるのが一般的ですが、買取は1〜2週間で現金化可能。住み替え資金が急ぎで必要な場合に有利です。 - 保証内容
仲介では引渡し後に「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」を負う可能性がありますが、買取では不動産会社がプロとしてリスクを負うため、売主は原則免責。心理的な安心感も得られます。
👉 「早く・確実に現金化したい」場合は買取が適し、「高値を狙いたい」場合は仲介が適しています。
住み替え先が未定のまま売るのは危険?(引渡し猶予/リースバック/買取保証の使い分け)
「今のマンションを売りたいけれど、住み替え先がまだ決まっていない」というケースもよくあります。
この場合、単純に売却を進めると「引渡しまでに新居が見つからず、仮住まいを強いられる」リスクが発生します。
対策としては以下の方法があります。
- 引渡し猶予特約
売買契約後も1〜2週間程度、旧居に住み続けられる特約をつける方法。新居への引越し準備に余裕を持てます。 - リースバック
売却後も買主(または不動産会社)から賃貸として同じ物件に住み続けられる仕組み。新居が見つかるまでの「つなぎ」や老後資金対策として有効です。 - 買取保証の活用
住み替えローンを組む場合や期限が決まっている場合、仲介で売れなくても確実に売却できる安心感があります。
👉 「住み替え先が未定」=売却リスクではなく、これらの制度を知って活用することで安全に売却を進められます。
まとめ:手取り最大化の3ステップ
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」と考えたとき、最も大切なのは「売却価格」そのものではなく、手元にいくら残るか(手取り額) です。
ここまでの記事で、相場の目安や築年数ごとの下落カーブ、売却方法の違い、上振れ・下振れ要因などを解説してきました。
最後に、誰でもすぐ実践できる「手取り最大化の3ステップ」を整理します。
ステップ1「手取り式」に数値を入れる(テンプレDL)
まずはシンプルに「手取り額の計算式」に自分の数字を入れてみましょう。
手取り額 = 売却価格 −(仲介手数料+諸費用+税金+ローン残債)
この式に、自分のマンションの「売却想定価格」「残債」「費用」を当てはめれば、ざっくりとした手残り額が分かります。
ステップ2 売出−成約乖離を前提に価格シナリオを置く
次にやるべきは、「売出価格=そのまま成約」ではないという前提を持つことです。
一般的に売出価格と成約価格には5〜10%の差があります。
- 強気シナリオ(例:4,200万円で売却)
- 中立シナリオ(例:3,800万円で売却)
- 弱気シナリオ(例:3,200万円で売却)
この3つを置いて、それぞれの「手取り額」を算出することで、最悪のケースでもどのくらい残るのかが見えてきます。
ステップ3 仲介/買取/買取保証の“出口”を最初に決める
最後に重要なのは、売却方法の選択です。
- 高く売りたいなら仲介
- 早く売りたいなら買取
- バランスをとるなら買取保証
これを事前に決めておくことで、売却活動の途中で迷走せずに済みます。
たとえば「まず仲介で3ヶ月 → 売れなければ買取保証を利用」と決めておけば、価格とスピードの両方をコントロールできます。
👉 出口戦略を最初に描くことで、売却活動が「場当たり的」ではなく「計画的」になり、最終的な満足度が大きく変わります。
結論:相場を知るだけでは不十分、“手取り額の最大化”を意識せよ
「4000万で買ったマンション いくらで売れる?」という疑問の本質は、
- 損をしないラインを知りたい
- 住み替え資金を確保したい
- いつ、どの方法で売るのがベストか決めたい
という3点に集約されます。
本記事で紹介した 手取り額の計算 → シナリオ別検討 → 出口戦略の設定 という3ステップを踏めば、
単なる「相場調べ」にとどまらず、実際に行動に移せる“売却戦略”が手に入ります。
あなたのマンション売却が「思った以上に手元に残った!」という成功体験になることを願っています。